2010年04月21日

地震に津波、台風…「正しさ」迫られる防災情報 でも本当に必要なのは?(産経新聞)

 地震や津波、台風などの災害発生時に、その内容が命を左右することもある防災情報。しかし、科学が進んだとはいえ、すべての災害を正確に予測することは不可能だ。来るべき災害を小さく見積もって予測したことで被害を増大させるような結果になることは防がなければならないが、逆に大きく予想しすぎると「オオカミ少年」との烙印(らくいん)を押されかねない。危険を伝えられる側は常に「正しい」情報を求めるが、その受け取り方次第では想像外の被害を出してしまう危険性もある。防災情報はどのようにあるべきなのだろうか。(豊吉広英)

 ■「最後は“エイヤッ”の理解も…」努力の果てに越えられぬ“壁”

 「今の技術で最善を尽くした結果だったと思う」

 日本の防災情報発信基地でもある東京・大手町の気象庁。4月1日付の異動で地震津波監視課のトップとなった横山博文課長は、同課が1カ月半ほど前に直面した“騒動”をあらためてこう振り返る。

 2月27日に南米チリで発生した巨大地震。それは翌28日に、約1万7000キロ離れた日本へ「津波」という形で襲いかかった。

 気象庁は当初、予測される津波を「高さ1メートルぐらい」としたが、その後「高いところで3メートル以上の津波が予測される」と判断。17年ぶり4回目となる「大津波警報」を出した。

 しかし、実際に観測された津波は最大でも1・2メートル。当時の地震津波監視課長が「津波の予測が過大であったこと、警報・注意報が長引いたことをおわびしたい」と謝罪し、話題になったことは記憶に新しい。

 もっとも、この謝罪には各方面から「謝ることはない」との声が相次いだ。横山課長も「災害をもたらす可能性のあるものを予想する際、小さく予想してはずす訳にはいかない。安全を考えれば大きめの予想をせざるを得ない」と、当時の判断を支持する。

 気象庁も手をこまねいている訳ではない。今回の津波を受け、遠地津波予測システムの改良に乗り出し、精度向上に努めている。

 現在、気象庁では海外で地震が発生すると、地震の震源地や規模(マグニチュード=M)、断層の状態などを推定しながら、津波のシミュレーションモデルを作成。いつ、どのような規模で津波が日本に到達するかを予測している。

 改良後は、津波シミュレーションのモデルを現在の260通りから1280通りへと約5倍に増強。さらに、実際に発生している津波の情報をより多く取り込むため、日本へ津波が向かってくる間に津波を観測する地点を、現在の12地点から99地点へと約8倍に増やす予定だ。新システムは来年度中に運用を始めるという。

 ただ、それでも正確な予測をするのは困難だ。

 地震津波監視課は「地震発生場所の地殻変動と、マグニチュードが正確に把握できれば極めて精密な予測ができるが、地殻変動が起きているのは海の底だし、マグニチュードも判断が難しい。そこが、津波予測の本質的な難しさ」という。

 「最後は“エイヤッ”で(予測を)決めざるを得ない時もある」

 横山課長は現場の裏側をこう語る。

 ■「小さな津波しかこない」実際にあった気象庁の“オオカミ少年”化

 しかし、こうした現場の努力や苦悩も、受け入れられなければ意味がない。

 大津波警報が発表され、避難指示や避難勧告が発令された36市町村の住民に内閣府などがアンケートを行ったところ、「指示や勧告通り避難した」と答えたのは、わずか37・5%にとどまった。

 なぜ避難しないのか。

 アンケートによると、避難しなかった住民の約半数(52・7%)が「津波により、浸水する恐れのない地域にいると思ったから」と回答している。

 一方、見逃せないのが、避難しなかった住民のうち19・2%は「他地域に到達した津波が大きくなかったので避難の必要はない」と答え、「大津波警報だったが、3メートルより小さな津波しかこないと思った」との回答も16・5%あったことだ。

 これは、全体の4割弱が、警報を出した気象庁を“オオカミ少年”扱いしていたということになる。

 防災情報に聞く耳さえもたない住民もいる。津波当日の2月28日は、各地の海岸で津波に乗ろうとするサーファーの姿があった。

 こうした状況に「歯がゆさを感じる」と横山課長。「津波は、台風や大雨のように、毎年何回もやってくるわけじゃない。危険性を理解してもらっていない。情報を分かりやすくしつつ、事前の理解を深めてもらうことが大事になってくるのだろうが…」と苦悩を深める。

 ■防災情報は“一元化” 重い「気象庁発表」の意味

 では、毎年訪れる台風や大雨などでは、適切な情報発信が行われているのだろうか。

 「私たちは、特に意識して大きく予想しようと考えているわけではない」と話すのは気象庁予報課の村中明課長だ。

 気象庁は昭和34年から、物理学の方程式により風や気温などの時間変化をコンピューターで計算、将来の大気の状態を予測する「数値予報」を行っており、その精度は年々高まっている。村中課長は「大雨の予報などは、地震や津波のような不確定要素は少ない。データは過去のものという数値予報の宿命があり、そこの誤差を修正する必要はあるが、天気を熟知すればするほど、人による予報の違いはなくなっていく」と説明する。

 もっとも、意図的な情報が入ってこないわけではない。

 昨年10月、気象庁で行われた予報業務許可事業者に対する台風解析の技術や予測の技術などについての講習会では「早い段階で台風が温帯低気圧になったと発表すると、台風並みの災害が起きる可能性があっても注意がそがれ、防災対応に支障が出ることがある」として、事実上台風から温帯低気圧に変えるタイミングを計っていることを認めている。

 防災情報については、気象庁による「一元化」が原則とされており、民間気象会社は、気象庁の情報に疑問を感じても従わざるを得ない。ゆえに一部民間気象情報会社からは「事実を曲げて発表すべきではない」「科学的に正しい情報を出すべきだ」との声が挙がった。

 これについて村中課長は「台風から温帯低気圧に移行するまでには何時間もかかる。その枠内でやっており、意図的に遅らせていると取られるのは心外だ」と反論。さらに「判断が遅いという意見があるかもしれないが、リアルタイムで台風に向かい合っている中、いつ温帯低気圧になったかを即座に出すことに、どれほどの意味があるのか」と指摘する。

 一方で「もう少し、きめ細かい情報を出す必要があるのかも」と反省の弁も。

 「『気象庁発表』というクレジットの意味は『正確な情報である』というところにある。それは、常に現在の技術の中で最も正しいと思える情報を提供していくということだ」

 ■「正確」「外れた」の論議越え、伝えるべきは「方向性」

 「人はどうしても『イエスかノーか』『白か黒か』という判断をつけたがる」

 民間気象情報会社「ウェザーマップ」(本社・東京)社長で、TBSでも気象解説を行う森田正光さんは、津波や台風など防災情報に対し正確な予報を求めるのは「人の世の常」だという。

 ただ、「科学には限界があることを、みんなが認識しなければならない」とも主張する。「仮に予報が“オオカミ少年”になっても、結局命がかかるもの。その方向で外れるのはしょうがない、というのはあると思う」

 常に正しいことばかりではないという防災情報。では、どのように発信して、危険を防げばいいのか。

 東京大学総合防災情報研究センターのセンター長を務める田中淳教授は「大事なのは、災害がもたらす危険性のベクトルを示すことだ」という。

 「災害時に、自分に迫っている危険の度合いがどれくらいなのか。現在危険性は高まっているのか、低くなっているのか。そうした分かりやすい情報を、気象庁はもっと出す必要があるのではないか」

 さらに、情報の発信を考える上では「常に“災害弱者”の存在を考えていなければならない」という。

 高齢者や子供のように体力のない人はもちろん、必要な情報が受け取れていない“災害弱者”もいる。

 「避難などの指示に従わなかった人に対し、『災害を軽視している』というのは簡単。ただ、彼らに判断できるだけの情報があったのだろうか、ということも考えなければいけない」

 そのためにも、気象庁が出す情報を、分かりやすく“翻訳”し、伝えるのが「災害発生地の各自治体とマスコミの役割」と田中教授は指摘する。

 「広く見れば、自らの命は自ら守っていかなければならない」と強調する田中教授。その上で「では、どのように守るべきか。気象庁は防災情報を出す際、その行動の目安や指針を出すべきだし、防災情報に携わる関係者は、普段からその情報の送り方を考えていく必要がある」と訴える。

 森田さんも言う。

 「防災情報といっても、数値予報は今やコンピューターがやってくれる。人がやるべきこと。それは『判断』をすることだと思う。災害が起きたとき、一人一人どのような判断ができるのか。われわれ情報を伝えるメディアがやるべきことは、判断ができない人を手助けしていくことだ」

 「当たった」「外れた」に一喜一憂しない、本質的な防災情報の論議が、いま求められている。

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2010年04月08日

<掘り出しニュース>野球で地域振興を−−徳島・阿南市が「推進課」新設(毎日新聞)

 【徳島】野球による地域振興を進めている阿南市は1日、産業部に「野球のまち推進課」を新設した。野球の大会、合宿の誘致や観光ツアーの開催を市の事業として企画する。野球に特化した部署を自治体が設置するのは全国でも例がないという。

 野球が盛んな同市は、市内に本格的な球場「アグリあなんスタジアム」がオープンしたことを機に07年6月、「野球のまち推進協議会」を組織し、少年野球や60歳以上の還暦野球の大会、四国・九州アイランドリーグの公式戦などの開催を実現させてきた。09年には大学野球部が初めて合宿を実施。熟年チーム対象の観光ツアーをはじめ、事業拡大が見込めることから課の設置を決めた。

 課は専任理事、課長、課長補佐の3人体制でスタート。市は08年の経済効果を約1億2000万円と算出し、10年は1億5000万円が目標という。岩浅嘉仁市長は「全国に『野球なら阿南』と言われるようにしたい」と意気込んでいる。【井上卓也】

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2010年04月06日

<亀井郵政相>仙谷戦略相を批判「郵政問題は1、2周遅れ」(毎日新聞)

 亀井静香金融・郵政担当相は31日、ゆうちょ銀行の預け入れ限度額を引き上げる郵政改革案に異論を示していた仙谷由人国家戦略担当相について「小泉改革の民営化時点で思考停止している。仙谷大臣はまじめだが、郵政問題については1周か2周遅れだ」と批判した。東京都内で記者団に語った。

 一方、前日の閣僚懇談会で鳩山由紀夫首相が郵政改革案を了承したことについて、「総理は閣僚懇で『私が結論出します』ときちっと判断された。政策決定プロセスはうまく機能している」と鳩山首相の決断を評価した。

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